般的な臨床検査の標準値
検査項目 標準値の範囲 高値(増加)疾患例 低値(減少)疾患例
赤血球数 (RBC) 男:400〜550万/μl
女:350〜450万/μl
多血症 貧血
血色素量 (Hb) 男:14〜18g/dl
女:12〜16g/dl
多血症 貧血
ヘマトクリット (Ht) 男:40〜48%
女:35〜44%
多血症 貧血
白血球数 (WBC) 3,300〜9,000/μl 細菌感染症、白血病 ウィルス性疾患、慢性貧血
血小板数 (PLT) 12〜42万/μl 骨髄機能亢進 白血病
血小板滅少性紫斑病
赤血球沈降速度 (赤沈、血沈) 男:2〜10mm/1時間
女:3〜15mm/1時間
感染症、貧血、悪性腫瘍 DlC
赤血球増加症
総蚕白 (TP) 6.7〜8.3g/dl 多発性骨髄腫、肝硬変 ネフローゼ症候群、栄養障害
アルブミン (ALB) 3.7〜5.0g/dl 脱水症 ネフローゼ症候群、肝疾患、悪性腫瘍
硫酸亜鉛混濁反応 (ZTT) 2〜12Kunkel単位 慢性肝炎、肝硬変、膠原病
チモール混濁反応 (TTT) 0〜5Kunkel単位 多発性骨髄腫、ウィルス性肝炎、肝硬変
総ビリルビン (TB) 0.2〜1.1mg/dl 肝炎、肝硬変、胆石症
尿素窒素 (BUN) 8〜20mg/dl 腎機能障害、脱水症、閉塞性尿路疾患 急性肝不全
クレアチニン (CRE) 男:O.7〜1.5mg/dl
女:O.5〜1.2mg/dl
腎不全、尿毒症、うっ血性心不全 筋ジストロフイー、尿崩症
尿酸 (UA) 男:3.0〜7.0mg/dl
女:2.0〜6.0mg/dl
痛風、腎不全、心不全、白血病 妊娠
AST (GOT) 8〜33IU/l 急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、心筋梗塞
ALT (GPT) 3〜30IU/l 急性肝炎、慢性肝炎、アルコール性肝炎
アルカリフォスファターゼ(ALP) 90〜280IU/l 急性肝炎、慢性肝炎、骨軟化症
GT(γ-GTP) 男:50IU/l以下
女:30IU/l以下
アルコール性肝炎 、閉塞性黄疸、肝硬変
LDH 208〜442IU/l 急性肝炎、悪性腫瘍、血液疾患
コリンエステラーゼ (ChE) 3800〜7800IU/l
(ブチリルチオコリン法)
脂肪肝、 ネフローゼ症候群 肝硬変、悪性腫瘍
LAP 25〜511IU/l 胆石、胆管炎
クレアチンキナーゼ CK(CPK) 男:67〜210IU/l
女:51〜155IU/l
心筋梗塞、筋ジストロフィー
総コレステロール (TC) 130〜220mg/dl 家族性高コレステロール血症、動脈硬化 甲状腺機能亢進症、アジソン病
HDL-コレステロール (HDL-C) 40〜69mg/dl 家族性高HDL血症 虚血性心疾患、動脈硬化症
中性脂肪 (TG) 50〜150mg/dl 家族性高脂血症、脂肪肝、肥満症 甲状腺機能亢進症、アジソン病
血糖 (GLU) 60〜110mg/dl 糖尿病、肝硬変 、慢性膵炎 副腎機能低下症、吸収不良症候群
ヘモグロビンA1C (HbA1C) 4.3〜5.8% 糖尿病、腎不全 溶血性貧血
プロトロンビン時間 (PT) 12〜14秒 肝疾患、DIC、ビタミンK欠乏症 妊娠
トロンボテスト (TTT) 70〜130% 肝疾患、 ビタミンK欠乏症
測定法により検査値が異なることがある。
補足・解説 出典 臨床検査法提要 金原出版 医学博士 金井泉原著 信州大学教授 金井正光編著
新臨床内科学 第5版 医学書院 慈恵医大学長 安部正和ほか
赤血球数 (血液検査) 上表へ
血液の中に含まれている赤血球の数を血色素(ヘモグロビン)とともに貧血を見つける手段。
赤血球は、細胞に酸素を運び、炭酸ガスを持ち去る「ガス交換作用」という働きをしている。
赤血球が少なくなると酸素を運ぶ能カが落ち、細胞が酸欠状態になる。貧血が進むとポ−ッとしたり、けがなどで大量に出血すると息苦しくなる。

血色索(へモグロビン) (血液検査) 上表へ
赤血球数、ヘマトクリットとともに、貧血の検査。
ヘモグロビンは赤血球の中に含まれているたん白の一種で、血色素ともいわれるように血の赤さのもとである。
貧血になると顔色が悪くなるのはへモグロビンが滅るためである。また、血色素の大もとになるのは鉄である。無理なダイエットや偏った食生活からくる、“鉄不足”が貧血を招くのはこのせい。
からだ中に酸素を運ぶのは赤血球の役割だが、正確には赤血球の内容物であるヘモグロビンがこの働きをしている。つまり、赤血球は容器でヘモグロビンは中身ということである。どちらが滅つても貧血になる。

へマトクリット(血液検査) 上表へ
ヘマトクリットも貧血の検査である。
血液を採って試験管の中に入れてしばらく置いておくと、赤黒い固まりの部分と薄黄色の液体に分かれる。
ヘマトクリットとは一定量の血液中に含まれるこの固まり、つまり血球の容積の割合をいいる。血球のほとんどは赤血球で占められているので、へマトクリット値が滅れば貧血が疑われる。

白血球数(血液検査) 上表へ
白血球はからだの中に細菌やウイルスが侵入してくるとどんどん増えて、それらの外敵をやっつける働きをしている。
つまり白血球が増えているということは、体のどこかに炎症が起こったり、細菌やウイルスが入って病気が起きているということを示している。
白血病の場合も異常に増えますが、これは“病気の白血球”が増えるので、白血球の種類を調べる必要がある。

血小板数(血液検査) 上表へ
血小板は出血を止めるという重要な働きをする血球である。
この血小板の数が少なすぎても多すぎても、出血しやすくなる。
血小板数は、血液1・・中にどれだけの血小板が含まれているかで数える。

赤沈(血沈) 上表へ
炎症やがん、結核、貧血などの異常の存在を教えてくれる検査で、正式には赤血球沈降速度検査といいる。
凝固しないようにした血液を細長い管に入れ、赤血球の沈む速さを調べることで病気の種類や程度の手段が得られる。
炎症や感染症が生じると増えるグロブリンが赤血球の沈降速度を促進する性質を持つことを利用した検査である。

総たん白(TP) (生化学検査) 上表へ
栄養状態、肝臓や腎臓の機能などを調べる検査である。血清中にはさまざまなたん白質が含まれているが、成分の1/2以上はアルブミン、残りはグロブリン、フィブリノーゲン(A/G比参照)などである。
血清中のたん白質の総量が血清総たん白である。
肝機能や腎機能の障害などの異常が生じると、値が高くなったり低くなったりする。

TTT‐ZTT (生化学検査) 上表へ
どちらも肝機能の検査方法で、血清の成分に試薬を加え、混濁の程度で肝臓の状態を判定する。
TTTでは試薬にチモールを、ZTTでは試薬に硫酸亜鉛を使いる。
肝臓の細胞が壊れて死ぬと、それが原因でアルブミンやグロブリンなど血清たん白に変化が生じる。
TTTやZTTはこの血清たん白の変化を混濁の程度で知ることによって、肝臓の状態を把握しようとするものである。

総ビリルビン(T‐BiI) (生化学検査) 上表へ
肝機能検査の一つ。黄疸の有無、黄疸の種類を診断する決め手となる検査である。
ビリルビンは赤血球中のへモグロビンが分解してできる色素で、胆汁に多く含まれているため、胆汁色素とも呼ばれている。
肝臓、胆管などに障害が生じると、ビリルビンは胆汁の中に流れ出ず、血液に入つて黄疸を生じる。ですから血液中のビリルビン濃度を測ることで、肝機能の状態を知ることができるのである。
また、ビリルビンにはヘモグロビンが分解してできた間接ビリルビンと、それが肝臓で水溶性に変化した直接ビリルビンの2種類がある。
この2つのビリルビンを合わせたものが総ビリルビンで、これらのビリルビン量の違いから病気の診断を行う場合もある。

尿索窒索(BUN) (生化学検査) 上表へ
最も代表的な腎機能検査の1つである。BUNは体内でエネルギーとして使われたたん白の燃えカスで、大部分は尿中に排出される。
腎臓での排泄機能に異常が生じると高い値をしめしますが、たん白質をたくさん摂取した時や軽い脱水症状でも高値になることがある。
尿素窒素は腎臓機能以外の種々の因子により影響されるので、異常値の場合は尿素窒素/クレアチニン比をみることが大切になる。

クレアチニン(CRN) (生化学検査) 上表へ
腎臓に排出機能障害があると高い値を示し、尿素窒素より食事や運動の影響を受けず安定した数値が得られる。
クレアチ二ンも尿素窒素と同じく老廃物の一種で、腎排出機能に異常があって尿中に排出できなくなると血中に増えてきる。

尿酸 (生化学検査) 上表へ
尿酸というのは細胞の燃えカスで、プリン体という物質からできており、通常は老廃物として尿といっしょに排泄される。
しかし、尿酸が腎臓からうまく排泄されなかったり、魚介類や肉類などプリン体を含む食品をとりすぎたりして尿酸が増えすぎると、尿酸塩という細かいガラスの破片のようになり、足の親指や膝の関節にひっかかって炎症を引き起こする。
これが痛風である。また、腎臓にひっかかった場合は、炎症を起こしたり腎臓結石の原因にもなる。
美食家やアルコールが大好きな人、特に30〜60歳代の男性はくれぐれも御用心。

GOT/GPT (生化学検査) 上表へ
GOTとGPTは肝臓検査の代表選手である。
また、GOTは心臓の病気、とくに心筋梗塞の発見に大きな威力を発揮する。
これらはからだのたん白質を構成するアミノ酸造成を促進する酵素である。したがって、からだのあらゆるところにあるわけだが、GOTは心臓に一番多く、次いで肝臓、骨格筋の3か所に集中している。
GPTが一番多く含まれているのは肝臓である。したがって、肝臓や心臓に障害が起きて細胞が壊れると、これらの酵素が血液の中に流れ出すのである。

ALP(アルカリフォスファターゼ) (生化学検査) 上表へ
おもに肝臓や胆道系の異常を調べる検査。
ALPはほとんどの臓器に含まれている酵素だが、臓器によってタイプが異なるため、どのタイプが上昇しているかを調べることで、診断の参考にすることができる。ALPは普通GOTやGPTと同時に調べますので、それらに異常がない場合には、肝臓、胆道以外の病気であることが考えられる。

γ−GTP (生化学検査) 上表へ
γ−GTPは、主に肝臓や腎臓、すい臓などに含まれている酵素である。
肝臓や胆道に障害があると血液中の値が上昇してくるので、GOT・GPTと同様に肝臓病発見の手段となる。
また、γ−GTPはアルコール常飲者では高値を示すという特徴があるため、アルコール性の肝臓障害を見つける指標となる。
お酒を大量に飲む機会の多い人は、くれぐれもこの値に注意が必要。また、向精神薬を常用していると増加することがある。

LDH(乳酸脱水素酵素) (生化学検査) 上表へ
LDHはからだ中のあらゆる組織の細胞に含まれている酵素で、臓器の細胞が破壊されると血液中に流れ出て、値が上昇する。
LDHの上昇のみでは、どの臓器に異常があるのか判断できないため、診断はGOT,GPT,ALPなど他の検査値と組み合わせて行われる。
またLDHにはLDHl〜LDH5の5つがあり、それを調べることによって、どこに異常があるかのおおよその見当をつけることができる。

ChE(コリンエステラーぜ) (生化学検査) 上表へ
肝臓でのみつくられる酵素なので、肝臓の細胞に異常が生じると、血液中の量が増えたり滅ったりする。
そのため、肝臓の障害をいち早くキャッチする検査として用いられている。

LAP(ロイシンアミノペプチターゼ) (生化学検査) 上表へ
LAPは肝臓やすい臓、胆道などに多く存在する酵素だが、異常値が出るのは、ほとんど肝臓と胆道に障害がある場合である。
このためLAPはγ−GTPやALPと合わせて、おもに胆道の検査として用いられる。

総コレステロール (生化学検査) 上表へ
成人病の元凶である動脈硬化の進み具合を調べるために欠かせない検査である。また肝臓病とも密接なかかわりがある。
コレステロールが多くなりすぎると血管の内側にくっついて動脈硬化を引き起こし、高血圧や心筋梗塞の原因となる。
しかし、コレステロールは細胞をつくる成分として、またホルモンやビタミンDなどの原料として大切な役割を果たしている脂肪の一種である。
したがって、逆に少なすぎると肝臓や脳、血管などに栄養がいかなくなり、脳卒中が起こりやすくなる。
多すぎず、少なすぎず、ほどほどに保つのが、健康の秘訣である。

HDLコレステロール (生化学検査) 上表へ
HDLコレステロールは、血管の内側に付着したコレステロールを、肝臓に運び去る作用がある。いわゆる動脈硬化を予防する善玉コレステロールである。
遺伝的にHDLコレステロールが高い家系もあり、長寿の家系ともいわれている。
適度のアルコール摂取(1合程度)と有酸素運動により増加し、逆に喫煙、肥満により滅少する。
女性はホルモンの関係で男性より高めの傾向である。

中性脂肪(トリグリセリド) (生化学検査) 上表へ
中性脂肪は身体の工ネルギー源だが、血中で多くなると血管壁に結びついて、そこが酸化してサビつき、動脈硬化を進めるといわれている。
皮下脂肪も中性脂肪であり、太ることや食べすぎ、飲みすぎによって高い検査数値となる。検査値の理想値は110mg/dl前後といわれ、中性脂肪が高い場合は、HDLコレステロールが低い値をとる。過食及びアルコールの過食欠を注意することで比較的コントロールが容易である。

血糖 (生化学検査) 上表へ
糖尿病発見の手段となる検査。
一般に血液中のブドウ糖のことを血糖といい、からだをつくっているいろいろな組織細胞のエネルギー源となる大切な物質である。
とくに脳のエネルギー源として重要で、極度に滅りすぎると冷や汗、動悸が起こり、さらにひどくなると昏睡に陥ることにもなりかねません。
もちろん増えすぎる場合は危険信号で、糖尿病をはじめ、肝臓やすい臓の病気が疑われる。

グリコヘモグロビン(HbA1c) (生化学検査) 上表へ
糖尿病がどのくらいコントロールできているか調べる検査。
同じく糖尿病の検査である血糖値や尿糖は、あくまで検査したその時点での状態を示すものだが、この検査はもっと長期間(週去2〜3か月)の血糖の状態を観察することができる。しかも、血糖値が食事や飲食によつて変動するのに対して、グリコヘモグロビンの値はほとんど変動しないので、いまでは糖尿病の検査として重要なものとなっている。
測定法によって多少正常値(基準値)は異なるが、いずれの方法でも数値が10%以上なら、血糖値のコントロールが不良といえる。
しかし、この検査だけでは、糖尿病とは決めつけられません。他の検査と総合して判断される。
その他

A/G比 (生化学検査)
血清中のたん白質の割合は、健康な人ではアルブミンが約67%、グロブリンが約33%を占めている。
アルブミンをA、グロブリンをGとして比率をあらわしたのがA/G比である。
これを調べると、総たん白を調べただけではわからない異常を調べることができる。
アルブミンは肝臓でのみつくられるので、肝機能に異常が生じた時は、A/G比は低くなる。

血清アミラーぜ (生化学検査)
すい臓の代表的な検査。
消化酵素であるアミラーゼは、おもにすい臓やだ液腺から分泌される。すい臓に障害があると血液や尿中にアミラーゼがもれ、数値が上昇する。
人間ドックでは、血清アミラーゼを測定することが多いのだが、くわしく調べる場合は尿中アミラーゼ量も調べ、両者を比較する。

HBs抗原 (血清検査)
B型肝炎ウイルスに感染しているかどうかを調べる検査。
B型肝炎ウイルスが肝臓内で増殖すると、HBs抗原を大量につくる。このHBs抗原の存在を調べることで、間接的にB型肝炎ウイルスの存在を知ることができる。
B型肝炎ウイルスに感染しても肝炎になるとは限りませんが、血液中にウイルスが含まれているので、ほかの人に感染させない配慮が必要になる。

CRP (血清検査)
炎症や病気などでからだの組織が壊れたときに血中に増えるたん白質で、リウマチ様関節炎、リウマチ熱を中心に、いろいろな病気の発見に用いられる。
CRPは上記以外の原因でも強い陽性を示すことがあるので、診断は他の検査と組み合わせて行われる。

RAテスト (血清検査)
リウマチ疾患の代表的な検査でラテックス凝集反応ともいう。
リウマチの患者の血清中にはリウマチ因子と呼ばれる「自己抗体」があるが、この因子はγ-グロブリンと結合する性質を持ちる。そのため、リウマチ因子の検出方法としてγ-グロブリンを含んた試薬を血清中に入れ、凝集反応を見ることで判定する。

梅毒検査 (血清検査)
梅毒にかかっているかどうかを調べる検査である。現在でも症状の現れにくい潜在性の梅毒は減っていないので、早期発見・治療のためにも大切な検査の1つである。
梅毒以外の原因でも検査の結果が陽性になることがあるので、確認にはさらにいくつかの検査が必要となる。

尿糖 (尿検査)
糖尿病発見の手段になる。糖尿病で血糖値が高く(160〜180以上)なると、尿にたくさんの糖か出るようになる。
健康な人の尿にも糖は含まれているが、ごく微量なのでこの検査では見つからない。
ただし、食後や激しい運動、ストレス、胃の手術をした場合に尿糖か出ることがあるが、一時的なものである。
また、腎臓の働きが落ちた場合にも尿糖が出ますが、血糖値は正常である。

尿たん白 (尿検査)
この検査は腎臓の病気を見つける手段。
検査方法は2種類あって、1つは尿中にたん白が出ているかどうかを調べる定性検査(−、+で表す)。もう1つはたん白がどのくらい出ているか、その量を調べる定量検査で、これは定性検査で陽性(+)に出た時に行われる。激しい運動、ストレス、たん白質の多い食事をしたあとにも尿たん白が出ることがあり、この検査だけでは腎臓病と決めつけられないので、尿沈渣や腎臓病に関係のある血液検査の結果と合わせて診断される。

尿潜血反応 (尿検査)
腎臓、尿管、膀胱、尿道などの尿路に何らかの異常があると、尿中にわずかに赤血球が含まれることがある。
これを尿潜血といいるが、通常は肉眼ではわからない程度の墨であり、化学的に検出する方法で調べる。
これが尿潜血反応である。健康な人でも、尿にごくわずかに赤血球が混じることがあるが、検査では大部分が陰性となる。

尿沈渣 (尿検査)
尿たん白や尿糖などの尿検査で、腎臓や尿管の病気が疑われる時、さらに詳しく調べるために行われる。
特に尿たん白が陽性の場合には必ず行われる。新鮮な尿を遠心分離器にかけて、尿の固形物(沈渣)と液体にふるい分ける。すると尿に含まれていた赤血球や白血球、細菌、上皮細胞、円柱(透明でゼリー状、健康人の尿にも小量あり)などの固形物か沈澱する。
これを顕微鏡で調べるのである。腎臓や尿管、膀胱の病気だけでなく、白血病、紫斑病のような全身の病気の診断にも大きな手段になる。

ウロビリノーケン (尿検査)
主に肝臓の働きを調べる検査である。ウロビリノーゲンというのは、肝臓でつくられる胆汁の中のビリルビンという色素が、腸内の細菌によって分解されてできる物質である。
大部分は便とともに排泄され、残りは腸の壁から吸収されて再び肝臓にいき、そこから血管、腎臓を通って尿といっしょに排泄される。
したがって、肝臓が処理できないほどのビリルビンがつくられたり、肝臓自体に障害があって腸から再吸収されたウロビリノーゲンを処理できなくなると、尿の中にウロビリノーゲンが多く出てくるのである。

便潜血反応
消化管からの出血の有無を調べる検査。
口から食道、胃、腸をへて、直腸、肛門に至る消化管のどこかに出血があれば、便潜血反応は陽性(+)になる。
出血量が多い場合は、便の色が暗紅色や黒色となり、肉眼でも確かめることができますが、この検査では、肉眼ではわからない微量の出血(潜血)を化学的に検出することができる。
とくに最近増えている大腸がんの早期発見に威力を発揮している。

心電図
心臓の筋肉の異常、不整脈(リズムの乱れ)、心臓肥大、冠状動脈(心臓をとりまいて栄養を与えている血管)硬化の有無などがわかる。
心臓は縮んだり、元に戻る時にごく弱い電気を起こし、この電気信号を合図に筋肉が動くのである。
この電流の変化を波型のグラフで記録したものが心電図である。

肺機能検査
肺機能障害の早期発見に役立つ検査である。肺は血液のガス交換を行い、体内に酸素をとりこむ重要な器官だが、気道が狭くなったり、肺などの弾力性が低下したりすると、十分な呼吸ができなくなる。
肺機能検査では、肺活量や、初めの1秒間ヤに吐き出した量である1秒率などを測定することにより、胸郭の大きさや呼吸筋の強さ、肺、胸郭、横隔膜の弾性などの状態を調べ、肺の異常の有無を調べる。
 
補足の補足 (蛇足・・・???)

健康診断の結果、「異常なし」だった場合、一見健康度は良好のような気がしますが、間違えてはいけませんヨ。病気があった場合でも、それが必ず検査の異常として現れるとは限りませんから…。健康診断でチェックできない病気もあるンです。
それに無茶な生活をしていても、それが悪影響を及ぼし、検査数値として出てくるには時間がかかります
また、肝臓などは、最低限の機能が残っている場合、異常が出ないこともあります。
「異常なし」という判定は、決して無茶をしてよいというお墨付きではありませんヨ。
「異常なし」であってもご注意ください。「異常なし」は「異常なし」であって、「正常」とは言わないことに気をつけて!!
文責 臨床検査技師 山本美奈子
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